雑学大典 -3ページ目

アンモニアの語源

「アンモニア」という物質がございます。オネショしちゃった時の描写とかで「アンモニア臭が……」とか言いますよね。
そのアンモニアの語源をあるところで見かけまして、こりゃおもしろい、というわけで今日のお題です。

 アンモニア(ammonia)は分子式NH3で表される無機化合物。
 常温常圧では無色の気体で、特有の強い刺激臭を持つ。

 名称の由来は、エジプトのアモン神殿の近くから
 アンモニウム塩が産出した事による。ラテン語の
 sol ammoniacum(アモンの塩)を語源とする。
 アモンの塩が意味する化合物は食塩と尿から
 合成されていた塩化アンモニウムである。

なんと古代エジプトの神様の名前だったのですな。けっこう大物ですよ。
ちなみに塩化アンモニウムは別名「塩安」と言うそうで、口に入れても大丈夫、らしいです。

 無臭で、無色または白色粉末(中略)味は苦い。

 フィンランドなど北欧諸国で人気のあるサルミアッキ
 (リコリス菓子)というキャンディには塩化アンモニウムが
 使用されているため塩味とアンモニア臭がする。日本人の
 口に合わないため「世界一不味いアメ」として知られている。

アンモニア臭のする飴……ですか……

どこの人? トゥーランドット

しばらく前に駅のポスターで「トゥーランドット」という舞台の宣伝がありました。僕は舞台芸術はほぼ完全にパープリンなんですが、このポスターがどうも気になった。役者の写真が中国~中央アジアっぽいんですな。一体どんな話だろう。中国が舞台なのか?

 『トゥーランドット』(Turandot)は、ペティ・ド・ラ・クロワ
 (François Pétis de la Croix)が1710年~1712年に出版した
 『千一日物語』の中の「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場
 する姫の名前であり、また、その物語を基にヴェネツィアの
 劇作家カルロ・ゴッツィが1762年に著した戯曲、および、
 それらに基づいて作曲された音楽作品である。

つまり「トゥーランドット」は人名で、中国の王女なんですな。また、カルロ・ゴッツィ以降、作品の名前にもなっていると。

 上記に該当する音楽作品は複数存在するが、本項では、これらの
 うち最も有名なジャコモ・プッチーニのオペラ『トゥーラン
 ドット』について記述する。

ポスターで宣伝していたのは、このプッチーニのオペラを、さらにベースとしてアレンジを加えたものらしいです。ちなみにストーリーですが、まあ身も蓋もない紹介の仕方をすると、「時代は清。美しい王女トゥーランドットの元には、今日も各国の王子達が求婚に訪れる。しかし求婚者達には3つの謎が出され、これに答えられなければ求婚ができないどころか、斬首の刑に処される。そこへやってきたティムールの息子・カラフ王子。みごと3つの謎を解いて、姫は最初は難色を示すんですけれども、それならばと逆にカラフ王子が出した「今宵のうちに私の名を当ててごらん」という謎掛けに答えられず、まあすったもんだの末、最後はみごとにトゥーランドット姫の愛を得て、めでたしめでたし」てな感じです。

……ティムールは一代で広大な国家を築いた中央アジアの覇者ですが、中国の清王朝とは、時代が違うみたいなんですけどね。
まあ、そのへんは、お話ですから、という事で。

なお、このプッチーニの『トゥーランドット』で一番有名な曲「誰も寝てはならぬ」トリノオリンピックで金を取った荒川静香選手の選んだ曲だそうで。これは有名な話でしょうが、日本国民ならほとんど知っているような有名な話に限って知らないのが松尾という人で。困ったもんです。ちなみにどういう曲かと言うと、姫が「国民すべて、流浪の王子の名が分かるまで、誰も寝てはならぬ」というお触れを出したのに対し、カラフ王子がそのお触れの文句を繰り返しつつ自分の勝利と姫を手に入れる事を確信して歌う歌。

YouTubeで見ましたが、荒川静香の演技、凄いですね。

また、先頃亡くなった三大テノールの1、パバロッティ氏の十八番であり、トリノオリンピックの開会式で歌った、そうです。(が、その歌は実は録音で、当時既に死期が迫っていたパバロッティ師は口パクだったと言うはなしも……)やけに繋がっておりますな。

ブービー賞とは何でしょう?

「ブービー賞」という言葉がありますが、語源とか本来の意味とか、よく分からない。ビリから2番目を表すように思っているのですが、どうも最下位を表すこともあるような。

 ブービー賞(booby prize)とは、スポーツなどの大会に
 おいて、最下位または最下位から2番目の競技者に与えられる
 賞である。

 本来、ブービー(booby)とは間抜け、転じて最下位の意味
 であり、ブービー賞の賞品もジョークの込められた、取るに
 足らないものであることが通例だった。 しかし日本では、
 弱者にもチャンスを与えるためか、ブービー賞に豪華な賞品が
 用意されることが多く、極端な場合には優勝に匹敵するほどの
 価値を持つ賞品が与えられるときまである。
 そこで、故意に最下位を狙うという戦略を排除する意図で、
 狙いにくい最下位から2番目にブービー賞を与える流儀が定着
 した。 この場合、最下位の競技者は婉曲を込めてブービー
 メーカー(和製英語)と呼ばれ、こちらにも「ブービー
 メーカー賞」を与える場合がある。 最下位から2番目に
 ブービー賞を与えるという流儀や、「ブービーメーカー」
 という言葉は日本独自のものであり、外国では通用しない。

なるほど、そういう経緯ですか……
なお、罠の名前で「ブービートラップ」という言葉がありますが、この「ブービー」も同じ意味との事。こちらは敵の油断を突くので「間抜けをひっかける罠」という意味とか。(語源には複数説あるようですが)

ベン図を発明した人の話

数学で「ベン図」という図を習います。多分ベンさんが発明したのでしょうが、それはいつ頃の人か、気になる。

 ベン図とは、ある命題における集合関係と求める集合範囲を
 視覚的に図式化したもの。
 (中略)
 イギリスの数学者ジョン・ベン (John Venn) によって
 考え出された。ベンにゆかりの深いケンブリッジ大学の
 ゴンヴィル アンド キーズ・カレッジには、ベン図を
 描いたステンドグラスがある。

アスリートで「ベン・ジョンソン」という人がいたもので、無意識裡にファーストネームかと思っていましたが、ファミリーネームでしたか。(発明物に名前がつく時にファーストネームっつうのは、よく考えれば有り得ないか……親しみこめ過ぎです 笑)ファーストネームの愛称「ベン」は「Ben」で、綴りが違います。

なお、英語版のウィキによると、Venn氏の生没年は1834–1923とのこと。あと、英語ではベン図は「Venn diagram」と言うそうで。

古文修辞の勉強

古文なんて大学受験が終わった翌日から現在までほとんど勉強していないわけで、何が何だか分からなくなっているわけです。それで突然「枕詞(まくらことば)と序詞(じょことば)ってどう違うんですか」とか、聞かれても困る。
困ったら、勉強です。

 枕詞(まくらことば)とは、主として歌に見られる修辞で、
 特定の語の前に置いて、語調を整えたり、ある種の情緒を
 添える言葉のことである。

例:唐衣(からころも)→着る、裁つ、袖、裾
  唐衣 きつつなれにし つましあれば
  はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ

こりゃ「折句(おりく)」と呼ばれる技法の例でもありますが。
一方、序詞は

 序詞(じょことば)とは、主として和歌に見られる修辞法で、
 特定の語の前に置いて、比喩や掛詞、同音語などの関係に係る
 言葉のことである。

 同じような和歌の修辞法に枕詞がある。ただし枕詞とは、音数が
 自由で長いものが見られる点と、受ける語が固定されず自由で
 あり創作性に富んでいる点で異なる。そのため枕詞と比較しても
 内容的に複雑な表現方法と言える。
 序詞には二種類の型が見られ、有心の序(うしんのじょ)と
 無心の序(むしんのじょ)がある。有心の序は意味でつながる
 もので、無心の序は発音でつながるものである。

という事で、フォーマットがカチッとしているのが枕詞。

序詞の例:
 秋づけば尾花が上に置く露の 消ぬべくも吾は思ほゆるかも
 風吹けば沖つ白波 たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ

スペースより前の部分はぜんぶ序詞らしい。
これだけ技法のために字数を割いてしまうと、言いたいことの核心に割ける文字数が物凄く減ってしまいそうですが……前半の序詞部分が、必ずしも後半と内容的に連続していなくても、なんとなく歌のムード、バックグラウンドを形成するのでしょうか。すると核心部分は言葉少なに済ませて、明確に読み取れる意味内容は減ってしまっても、ムードは強く出る、と。

言葉少なに語りかけたい時に有効な技法なのかな、と思いました。

関係ないですが風邪引きました。今年三度目の風邪っす。そこまで酷くないんだけど、どんなもんでしょうね。

因数定理って何だっけなぁ

高校生が「因数定理ってなんだっけ……」と言うわけです。さあ、何だっけねぇ……

 「因数定理」
 多項式に関する因数定理(factor theorem)は、
 多項式 f(x) に対して、f(a) = 0 を満たす a が
 存在すれば f(x) は x - a を因数に持つという定理。
 より一般に、一変数多項式の成す環では除法の原理が成り立つ
 から、上の 0 を零元と見れば、多項式の変数に代入が可能な
 範囲の代数的構造を持つ集合で剰余の定理より導かれる。

あひゃひゃひゃひゃっ! っっと、失礼。若干バグってしまった。
「成す環」とか「除法の原理」とか、文系で数学の勉強をしていると耳にしないようなお言葉がバラバラ出てきますね。こういう文章は読み飛ばしておきましょう。この文に続いている、以下の例が分かりやすい。

 例えば
  f(x) = x3 + 4x2 + 3x - 2
 とすると、f(-2) = 0 が成立するから
  f(x) は x - (-2) で割り切れる。
 実際
 f(x) = (x + 2)(x2 + 2x - 1)
 のように因数分解できる。

つまりあれだ。「x」に関する方程式があってだ。
その方程式の値が0になるような「x」の値があるとすると、で、その「x」の値を「a」とでも置くとすると、元の方程式の因数に「x-a」が含まれているはずだよ、という定理ですか。

でも、これってある意味当たり前の事で、「因数定理ってなんだっけ……」と困るような事ではない気がするんだよな。数学を本気で勉強するつもりの高校生なら、名前は忘れても内容は当たり前の事として分かっておきたい。
先生が名前を忘れているのは問題ですけれどね(苦笑)
高校生を自分で教える機会が無いもので、すっかり鈍っています。

豆腐はどうやって固まるのか

 豆腐(とうふ)は、大豆を主原料とした、食品。

 化学的側面
 豆腐の凝固は豆乳のたんぱく質が凝固剤によりゲル化すること
 で起こる。したがって、豆腐は架橋されたたんぱく質の網目構造
 に多数の水分子を取り込んだ構造である。
 大別するとマグネシウムイオンあるいはカルシウムイオンが
 たんぱく質側鎖のカルボキシル基を架橋してゲルを形成する
 場合と、酸がたんぱく質の高次構造を変える(変性)ことに
 よりゲルを形成する場合(酸凝固)とがある。前者には凝固剤
 として硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、
 硫酸マグネシウム等が使用され、後者はグルコノデルタラクトン
 が使用される。グルコノデルタラクトンの徐々に酸(グルコン
 酸)へと変化する性質が利用されている。なお、グルコン酸は
 グルコースの有機酸なので安全性は高い。

「カルボキシル基を架橋してゲルを形成」うーん、高校二年くらいの頃なら、すぐパッと分かったでしょうが……カルボキシル基は覚えているが、詳しい仕組みに自信がない。酸素原子の二重結合が片方切れてカルシウムの電子ひとつと手を結ぶイメージか?
酸凝固でも、どちらでも「豆腐」と呼びうるものは出来るようです。

 戦前までは、このにがりを凝固剤に使用するのが主流であったが
 (一部では硫酸カルシウム(すましこ)も使われていた)やがて
 統制品に指定されたため入手が困難となった。そこで同じように
 凝固反応を起こし、入手の容易な硫酸カルシウム(すましこ)へ
 の転換が進んでいった。硫酸カルシウムはにがりの主成分である
 塩化マグネシウムと比べ適正な凝固反応が起こるいわゆる凝固の
 ストライクゾーンが広いため、保水性が高く肌理の細かい高品質
 な豆腐が、比較的容易に作りやすかった。そのため、戦後も機械
 化が進むにつれ、凝固材として使いやすい硫酸カルシウムへの
 転換が進んでいった。1980年代後半になって、にがりで
 作られた豆腐の味が見直され始め、最近ではスーパーなどで
 容易ににがりを使った豆腐が入手できるようになった。

ちなみに、すましこを使うのは中国の伝統製法、らしく読める記述がありました。そういえば中華料理の豆腐は基本絹ごしで肌理は細かいけれど、味はソースの味が強いから、そんなに気になりませんな。
もっとも、「絹ごしか木綿か」というのと「すましこかにがりか」というのは無関係なようなので、このへんは「そう言われれば納得な気もする」程度の話ですけれどね。

にがりとは要するに何か

夏になると冷や奴なんぞが恋しくなりますが、ヒヤヤッコ、もとい豆腐のことをつらつらと考えていて、ふと「にがり」というのは化学的にいって何者なのか、気になりました。

 にがり(苦汁、滷汁)とは、海水からとれる食品添加物。
 海水から塩を作る際にできる余剰なミネラル分を多く含む
 粉末または液体であり、主に伝統的製法において、豆乳を
 豆腐に変える凝固剤として使用される。

 海水に含まれている塩類は、塩化ナトリウムが大部分を
 占める。海水から食塩を生成する場合、塩化ナトリウムが
 先に結晶化するので、これをかき集めるなどして物理的に
 取り除いた後に残る液体が苦汁である。苦汁の成分は、
 塩化マグネシウムや塩化カルシウムなどである。ほかに
 カリウム・鉄などのミネラルを含む。味は、主にマグネシウム
 イオンにより、文字通り苦い。

主には各種塩類の集合体なんですね。

ただ、どうして固まるのかの原理が書いていなかったんで、そこは改めて調べようかしら。

胃下垂とは何なのか

「胃下垂」という病気があるようです。病気と言っても最近感染とかは関係ないと認識しています。胃が下の方に行ってしまうとか、何とか……それはどんな事なのか。ちと調べてみたい。
で、読んでみたら……なんというか、嫌だ。

 胃下垂(いかすい)とは、胃が正常な位置下まで垂れ下がって
 いる状態のことを言う。ひどい時はへそのあたりや骨盤の位置
 まで落ち込むこともある。胃、そのものの位置が変わるわけ
 ではなく、胃の上部は正常な位置にあり、下部が延びている
 状態である。

 原因
 胃下垂は様々な要因で起こるが、「胃を支える筋肉や脂肪の
 少ないやせ型で長身の人」がなりやすいと言われている。
 その状態で、暴飲暴食、過労、 不安などによるストレスが
 引き金となり、胃での消化が悪くなって胃に食物が溜まり
 すぎてしまったために引き起こされることが多い。そのほか、
 腹部の手術や出産などを繰り返した場合にも起こる。
 俗に「胃下垂は食べても太らない・痩せてる人に多い」
 というのも当然で、内臓を支えている脂肪が少なくなると
 胃を支えられなくなるからである。

 症状
 痛みなどの判りやすい自覚症状はないため、何の検査も
 受けないと気付かない場合が多い。主な自覚症状としては、
 以下の物が挙げられる。

  ・腹が張った感じ
  ・少量の食事で満腹感を感じる
  ・食後のむかつき
  ・食欲不振

 レントゲン検査を行うことによって確認できる。また、
 外見上の変化として、腹部は窪んでいるのに下腹部が
 膨らむ事が上げられる。

ううう……
なんかすごく当てはまる気がするわけです……

さらに詳しくはwikipedia原文をご覧下さい。悪化するといろいろ問題があるようですが、一応治療法もあるし、軽症なら規則正しい生活で良くなるらしい。気になるなら内科で受診するか、一度健康診断を受けた方が良いかもですねぇ。

「cc」とは何か?

体積の単位に「cc」というのがあります。「牛乳を200cc」とか言いますよね。でも、こいつの存在意義が分からない。

算数・数学では、体積はメートル法で表現するのが標準だと思います。「立方メートル」とか「立方センチメートル」とかですね。で、「メートル」と付かない量の単位には「リットル」とかがありますが、まあ、リットルなら許せるのです。たとえば牛乳やジュースの「1リットルパック」は「立方メートル」だと「1/1000立方メートルパック」になってしまって、なんだか数字が小さすぎるし、「立方センチメートル」だと「1000立方センチメートルパック」で無意味に数字が大きくなる。そして我々一般人の筋力だと、液体のものを購入する場合、やっぱり何リットルかが丁度良いと思います。「1立方メートル」なんて絶対に持てないし、「10立方センチメートル」とかって、いったいどんな貴重品ですかという話になる。リットルは生活には丁度良い単位だと思うわけです。

でも、「cc」って「立方センチメートル」とまったく同じ量なんですよね。
「1cc = 1立方cm」です。
それなら、立方センチメートルだけで良いじゃないか。ccの存在意義が分からないよ。

と思ったら。

 立方センチメートル
 1辺が1センチメートル(cm)の立方体の体積。(中略)英語
 の"cubic centimetre"の頭文字からccと略記される。
 ヨーロッパではccmと略記される。

ふぁっ! ccは"cubic centimetre"つまり「立方センチメートル」の略語だそうです。
存在意義も何も、立方センチメートルとまったく同一の単位の別称に過ぎなかったのである……

小学生の時に単位換算の勉強をしますが、小学校の先生方は皆さん、この事実をご存知なのだろうか。