どこの人? トゥーランドット | 雑学大典

どこの人? トゥーランドット

しばらく前に駅のポスターで「トゥーランドット」という舞台の宣伝がありました。僕は舞台芸術はほぼ完全にパープリンなんですが、このポスターがどうも気になった。役者の写真が中国~中央アジアっぽいんですな。一体どんな話だろう。中国が舞台なのか?

 『トゥーランドット』(Turandot)は、ペティ・ド・ラ・クロワ
 (François Pétis de la Croix)が1710年~1712年に出版した
 『千一日物語』の中の「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場
 する姫の名前であり、また、その物語を基にヴェネツィアの
 劇作家カルロ・ゴッツィが1762年に著した戯曲、および、
 それらに基づいて作曲された音楽作品である。

つまり「トゥーランドット」は人名で、中国の王女なんですな。また、カルロ・ゴッツィ以降、作品の名前にもなっていると。

 上記に該当する音楽作品は複数存在するが、本項では、これらの
 うち最も有名なジャコモ・プッチーニのオペラ『トゥーラン
 ドット』について記述する。

ポスターで宣伝していたのは、このプッチーニのオペラを、さらにベースとしてアレンジを加えたものらしいです。ちなみにストーリーですが、まあ身も蓋もない紹介の仕方をすると、「時代は清。美しい王女トゥーランドットの元には、今日も各国の王子達が求婚に訪れる。しかし求婚者達には3つの謎が出され、これに答えられなければ求婚ができないどころか、斬首の刑に処される。そこへやってきたティムールの息子・カラフ王子。みごと3つの謎を解いて、姫は最初は難色を示すんですけれども、それならばと逆にカラフ王子が出した「今宵のうちに私の名を当ててごらん」という謎掛けに答えられず、まあすったもんだの末、最後はみごとにトゥーランドット姫の愛を得て、めでたしめでたし」てな感じです。

……ティムールは一代で広大な国家を築いた中央アジアの覇者ですが、中国の清王朝とは、時代が違うみたいなんですけどね。
まあ、そのへんは、お話ですから、という事で。

なお、このプッチーニの『トゥーランドット』で一番有名な曲「誰も寝てはならぬ」トリノオリンピックで金を取った荒川静香選手の選んだ曲だそうで。これは有名な話でしょうが、日本国民ならほとんど知っているような有名な話に限って知らないのが松尾という人で。困ったもんです。ちなみにどういう曲かと言うと、姫が「国民すべて、流浪の王子の名が分かるまで、誰も寝てはならぬ」というお触れを出したのに対し、カラフ王子がそのお触れの文句を繰り返しつつ自分の勝利と姫を手に入れる事を確信して歌う歌。

YouTubeで見ましたが、荒川静香の演技、凄いですね。

また、先頃亡くなった三大テノールの1、パバロッティ氏の十八番であり、トリノオリンピックの開会式で歌った、そうです。(が、その歌は実は録音で、当時既に死期が迫っていたパバロッティ師は口パクだったと言うはなしも……)やけに繋がっておりますな。