雑学大典 -55ページ目

我が風邪との闘争

皆様。風邪をひいたらどうしますか。
先日見たとおり、薬は本質的な治癒効果はありません。
百科事典には、自然に回復するのを待て、と書かれていました。

しかし、である。
クソ忙しい現代人が、風邪だからと一週間も寝ていられるか。
速攻で治ってくれなければ困るのである。

そこで、今回は自然の治癒力を120%活用しまくる、
雑学大典流風邪撃退法である。
めっちゃ硬派なんで覚悟して読んでいただきたい。

【風邪概論】
そもそも「風邪」とは「鼻、のど、気管支などの呼吸器粘膜の
急性炎症性疾患を総括したもの」である。
「呼吸器粘膜」が問題だ。呼吸器粘膜の異常が風邪の本質であり、
従って我々の主要な攻撃目標は呼吸器、特に喉と鼻である。
熱などは体の防衛反応であって、攻撃目標には含まない。
熱を下げようと躍起になって解熱剤を飲んだりする事を
「誤爆」というのである。

【治療方法概説】
疾患一般の例に漏れず、風邪との戦いでは先制攻撃が重要である。
少しでも喉・鼻の調子がおかしいと感じたら、攻撃開始。
攻撃は短期決戦で行う。
「今夜一晩で完治させる」という不退転の決意が重要なのでアル。

【個々の治療法】
(1) 側面支援
体の免疫作用を強化するなど、間接的に病原体を追いつめる手段。

・ビタミンC
緑茶や柑橘系の飲食物から摂取できる。粘膜を強くする働きあり。
主に予防策だが、風邪気味かなと思ってからミカンを三つか四つ
食べると、けっこう治る気がする。
オレンジorグレープフルーツジュースも可。
その場合は1.5Lペットボトルを一人一日で飲みきるくらいが良い。
ビタミンCの過剰摂取は健康に良くないが、
ビタミン剤でも使わない限り、そう簡単に過剰摂取できないので、
安心してミカン漬けになっていただきたい。

・鯨飲
大量の水分を摂取し、汗と小水でガンガン排出。
血液さらっさら。コンディション改善。鬼のようにトイレに通う。
柑橘系ジュース鯨飲は水分とビタミンC両取りで◎。
糖分が嫌だというダイエット中の方は緑茶2LペットでOK。
飲んだ後に喉に絡んだ痰が緩んだと思ったら、
すかさずうがいでコンボアタックを決めるべし。

・うつぶせ爆睡
寝る。激しく寝る。体の疲れを取り、コンディションを整える。
ただし、人間の呼吸器の構造上、
仰向けに寝ると鼻汁が喉に逆流し、喉を荒らす。
うつぶせか、片腕を枕に横向きになって寝るのが正解である。
途中起床したら、すかさず洟かみ、うがい、飲料摂取などして
喉のコンディションを整えた上で、再び寝る。

・のど飴中毒
のど飴を一袋買ってくる。
一人で全部なめきるつもりで、ガンガンなめるべし。
風邪治癒後は虫歯に注意。
これも、なめた結果、痰が緩んだと思ったら、
すかさずうがいでコンボアタック。

・洟かみまくり
鼻の周りのお肌が荒れるなどと暢気なことを言うな。
鼻汁をすするバカがいるが、喉を荒らし風邪の長期化を招く。
病原体を含む鼻汁は、これを徹底的に排除すべきである。
おかげで鼻の周囲に吹き出物ができたら、マスクで隠す。

・うがいマニア
喉に絡んだ痰もできるだけ排除した方が、回復が早い。
うがい薬には「水60mlに本薬2-4mlを混ぜ」等と書いてあるが、
これでは少ない。水200ml(薬液8-15ml)くらいは使ってよい。
希釈した液は、舌先にのる程度の、ごく少量ずつ口に含む。
そして上を向き、息を吐き、うがいする。
息が切れたら一旦首を起こし、鼻が通れば鼻から、
鼻が詰まっていれば、うまいこと薬液を吐かずに口から呼吸し、
ふたたびうがい。
一口の薬液で三回ほどうがいする。
薬液を吐いたとき、薬液の色が消失していれば(本当に消えます)
薬液がしっかりお役目を果たしてくれた証拠である。
お国のために、最後の一兵まで戦うのである。

このようにして200mlの薬液を使い切るには、
恐らく30分ほどかかる。「マニア」たる所以である。

なお、うがいで洗浄する部分にも気を配りたい。
ガラガラガラと音のするうがいは、真のうがいではない。
音が良く聞こえるのは、口に近い、
浅い部分しか洗浄していない証拠である。
うがいをしながら、オペラ歌手よろしく、首を膨らませるように、
のどぼとけあたりに気合いを入れてみる。
同時に口をすぼめたり、逆にくわっと開いたりする。
首の力の入れ方も変えてみる。
うまく行けば、口の中の薬液の水面が下がり、
のどの奥で「ごぽごぽ」とくぐもった音がするようになる。
水面の高さを自在に変化させられるようになれば、
諸君もうがいのプロである。
ただ、この調子で30分もうがいしていると、たまにクラッと来る。
頭に血が上ってしまうのかも知れない。
高血圧の方、高齢者にはお勧めできない。

大量の痰が排出されるので、排水口の入口に金網がある場合は、
それは外しておいた方がいい。
うがい廃液をトイレに吐いて、
最後に鯨飲の結果近くなった小用を足せば合理的である。

薬液の当たり所によっては、時に嘔吐を催すことがある。
これはチャンスである。
イキそうになったら、さらに責めまくってイカせてしまう。
ゲエッと一気に大量の痰を排除でき、だいぶ調子が良くなる。
ただし体力消費も激しい。やつれる。

(2) 直接攻撃
喉・鼻の細菌に直接ダメージを与える手段。

・マスク
鼻に感染した菌に打撃を与えるには、これが良い。
湿度が高いと風邪の病原体は活動しにくい。
食事時以外は常時マスクをしておく。寝るときも当然したまま。

・患部直接噴霧薬
浅田飴スプレーなど。口をガバッと開けて
ノズルから飛び出す薬液をのどの奥に直接あてる。
これが気持ちよくなってきたら貴方も風邪治療マニア。
バシバシ当てる感じが、いかにも責めている気分で◎

・炎の厚着我慢くらべ
とにかく着る。着膨れる。汗をかきまくるようにする。
Tシャツからフリースの上着まで、何枚も重ねた上に布団を被る。
さらに襟首にタオルを挟むと、温度上昇+襟の汚れ防止で○
体温が上がり、朦朧とする意識の彼方に
細菌達の火炎地獄で苦しむ姿が見えちゃうかも。
もちろん水分を失うので鯨飲とコンボで。
一晩汗だるまになれば、だいぶ風邪にダメージ与えられます。
自分も苦しいところが何ともマゾヒスティックでたまらんです。

このように、様々な対抗手段があるのですが、
これらの対抗手段を全部(ここがポイント)同時投入します。
丸1日で8割方、2日で全快できます。
ならずもの細菌の卑劣なテロルは許さない。

おーいお茶の俳句大賞

調子でないので、短い投稿を。

出先で、おーいお茶を買いました。
その日はキャンペーン期間中で、おまけが付いました。
物が増えることを嫌う私は、
おまけが付いているものは基本的に買わないのですが、
その日は、オマケの貰い手がいたので、手を出したわけ。

で、飲みながら、例によってお茶を飲み下すあいだはヒマな目を
パッケージに走らせていました。
「伊藤園新俳句大賞」の佳作が何点か掲載されています。
前々から気付いていましたが、ふと、
こんなのどこで募集しているんだろう? と思ったわけです。

パッケージを見まわしても、募集要項は書かれていません。
伊藤園ホームページのURLは書いてあります。ここかな?
行ってみたら、ありましたよ。
http://www.itoen.co.jp/new-haiku/index.html

ちょっとビックリしたんですが、
最高賞は文部科学大臣奨励賞で、副賞50万円です。
その他6名に大賞で、副賞20万円。
44名に優秀賞で副賞5万円。9名に審査員賞で副賞3万円等々。
お金で測るものではありませんが、
けっこう本格的に運営していますね。
平成元年より、毎年開催しているようです。
既に終了した第16回は、11/3~2/28が応募期間。

腕に覚えのある方は、第17回に応募してみては?

風邪で寝込みつつ風邪を調べる

3/25(Fri) 朝、家庭教師。教え子は風邪をひいていた。
3/26(Sat) 夜、喉が変。やばい。にも関わらず3時就寝。
3/27(Sun) 昼、知り合いの卒業祝い。カラオケで熱唱。
3/28(Mon) 昨日の愚行にも関わらず小康状態。しかし夜急変。
3/29(Tue) 撃沈。バイトと友人の壮行会をキャンセル……

ということで、風邪をひいてしまいました。
まぁ、日曜あたりの行動が明らかにおかしいのですが。

しかし、しかし、転んでもタダでは起きない。
これを機会に「風邪」について調べよう。

 「かぜ症候群」
 鼻、のど、気管支などの呼吸器粘膜の急性炎症性疾患を
 総括したもので、炎症はいろいろな病因によっておこるが、
 いずれにしても臨床症状および経過に共通点が多く、
 臨床的にはその病因まで推測しえないので、いくつかの病型を
 一括して「かぜ症候群」として扱われることが多い。

「風邪」という項目はありません。それは通称なんですね。
なお「症候群」というのは症状に注目した病気の定義ですが、
治療のためには、原因をつぶす必要があるのですから、
当然、原因に着目して分類した方が治療には良いわけです。
原因としての病原体ではなく、結果である症状に注目するのは、
「臨床的にはその病因まで推測しえない」からです。
原因がよくわかんないけど、そんな病気があるらしい。
そういうときに、「○○症候群」と名付けるようです。

 寒冷刺激によるものを寒冒、さらに細菌感染が加わったものを
 感冒、ウイルスによるものをインフルエンザと使い分けた
 こともあったが、現在は使われない。
 すなわち、寒冷刺激だけで発病することはほとんどなく、
 なんらかの病原の感染によっておこるほか、病原としては
 ウイルス、マイコプラズマ、クラミジア(オウム病病原体)、
 細菌などがあり、かぜ症候群の80~90%がいろいろな
 ウイルスによることもわかり、使い分けの意味を失った。

ずっと昔「風邪は細菌性・インフルエンザはウイルス」と
聞いたことがありましたが、その後風邪をひいて病院にかかったら
「ウイルス性の風邪」と言われて大混乱に陥った経験があります。
「細菌=風邪/ウイルス=インフルエンザ」は旧説だそうです。

 一般にかぜ症候群は、ときに合併症(肺炎、中耳炎、副鼻腔炎
 など)をおこすが、これさえなければ1週間ぐらいで自然治癒
 する傾向が強い。したがって、かぜの症状が2週間も続く場合は
 別の疾患を疑ってみる必要がある。また、症状は同じようでも
 異なる病原ウイルスによる「ひきなおし」のため長引くことも
 ある。
 なお、病原ウイルスの診断は容易でなく、それが確認される
 ころには治癒している場合が多く、また有効な抗ウイルス剤も
 ないので、臨床的には鼻炎(普通感冒)、咽頭(いんとう)炎、
 咽頭結膜熱、喉頭(こうとう)炎、気管支炎、肺炎など、
 部位別の炎症名でよばれている。

合併症にだけ注意して、自然治癒を待て、と。
病院に行っても、特別な対策は取り得ないのですね。
臨床的な分類は、とりあえず七項目紹介されていました。

・普通感冒(鼻かぜ 普通の「かぜ」)
・咽頭炎(のどかぜ)
・扁桃炎(病原は連鎖球菌の場合が多く、症状もやや特異)
・クループ(熱や全身症状が少なく、発声部が冒され声がかれる)
・咽頭結膜熱(のどと目が冒される。病原はアデノウイルス)
・気管支炎/肺炎(咳と疸、胸痛、発熱)
・インフルエンザ(呼吸器、全身症状顕著、重症多く伝染性強い)

各種肺炎など、
ものによっては特効薬があるものもあるみたいですね。
インフルエンザも、初期であれば効く薬が最近できたようですし。

 「かぜ症候群-治療と予防」
 病原がウイルスであることが多いので、治療はもっぱら
 対症療法に終始する。初期ならば温かい飲食物をとって早く
 就寝し、安静を守るのがもっともたいせつである。市販の
 かぜ薬は抗ヒスタミン剤や解熱鎮痛剤が主で、一時的に症状を
 軽減させるが、かぜ症候群は薬で治るものではない。
 約1週間で自然治癒することが多いが、合併症をおこさない
 ように安静にし、長引く傾向がみられたり、熱が高くなった
 場合は、医師の診療を受けることが望ましい。
 予防としては、インフルエンザ以外は予防ワクチンがないので、
 一般的には、誘因となる過労や寝不足を避け、うたた寝や入浴後
 の湯冷めなどをしないようにする一方、普段から乾布摩擦などで
 皮膚を鍛えておくのもよい。

特効薬がない鼻かぜ、のどかぜには、安静が一番。
しかし、乾布摩擦とは、古風ですな。

過労や寝不足、めっちゃしてました。
しかもうがいしてなかったし。
忙しさを理由に筋トレさぼってたし。太極拳もさぼってたし。
反省します……

さるぼぼ

「さるぼぼ」というものを御存知でしょうか。
名前がインパクト強いですが、飛騨高山の民芸だそうですな。
赤い布で作った人形で、でっかいまん丸な頭には頭巾、
座布団の隅を絞って手足にしたような体に金太郎風の前掛け、
模様入り布で作ったちゃんちゃんこ、というのが基本らしいです。
私は知りませんでした。先日tenma様のコメントに登場するまで。

百科事典には載っておりませんでした。
(「高山」で出てくるかと思いましたが、出てきませんでした)
ネット検索したら、出てきましたよ。

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/2463/saru.htm
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Sakura/1025/sarubobo.html

赤いグッズは天然痘対策の魔よけの意味があったようで。
それで赤い布で人形を作ったが、猿の赤ん坊みたいなので、
飛騨弁で赤ん坊は「ぼぼさ」
よって、猿の赤ん坊=「さるぼぼ」と呼ばれるとか。

 災いが去る(さる 猿)
 円満・良縁・子縁(エン 猿)
 猿は安産(ほんとか!?)だから、安産祈願

というように、縁起も担いでいるそうです。
室町時代からおもちゃ・お守りとして流布。

なお、以下のようなページもありました。
googleでのヒット件数16500件。メジャーです。
さるぼぼ。なかなかやるなぁ。

さるぼぼ通販
さるぼぼは自作して良いのか?
さるぼぼの作り方

また、飛騨地方のフリーペーパー
さるぼぼ倶楽部」というのもありました。
発行部数50000部。これはすごい。
個人運営のフリーペーパーでは、下は500部からありますよ。
がんばっています。飛騨高山。

記事タイトルは、「さるぼぼ」のインパクトに賭けて、そのまま。

日本語文法・英語文法・平安文法

昨日取り上げた「キサマ」について、
いつもの百科事典でも調べました。国語辞典機能で一件ヒット。

 き‐さま【貴様】
 〔代名〕対称。もと尊称の代名詞として武家の書簡などに
 用いられたが、のち、口頭語として一般化し、江戸時代後期
 以降は同等またはそれ以下の者に対して用いる。今日では
 親しい同輩か目下の者をさす語。または卑称として使用される。

だいたい昨日紹介した朝日の記事と同じ事が書いてありますが、
ちょっと気になったのは、一番最初の「対称」という言葉です。
文法用語でしょうか?

 たいしょう‐だいめいし【対称代名詞】
 人称代名詞の一つ。
 ある場面において、話し手が聞き手をさし示すのに用いるもの。
 「なんじ」「きみ」「あなた」「そなた」などの類。

英語で言うところの「二人称」の事ですね。
日本語文法では「対称代名詞」と呼ぶそうです。
知りませんでした。
以前「コギト・エルゴ・スム 語数問題」で取り上げた
村上陽一郎先生の文章中にも、
「二人称としての他者」という表現がありました。
我々にとっては、日本語文法の用語よりも、
英語文法の用語の方が、親しみがあるようです。

日本語は文法事項なんか勉強しなくても使えてしまうんだから、
当たり前だ、といえば当たり前なのですが、
それに加え、日本語は文法が英語と比べて曖昧だから、
文法学もいまいち発展しないし、
学校でも教えにくい、学び難いんじゃないかな、と思います。
どうなのでしょうか。「文法」を百科事典で調べましたが、
日本語が特に文法の曖昧な言語だとは書かれていませんでした。
しかし、英語の品詞分類はそこそこ自信を持って答えられるのに、
日本語の品詞は分かりません……家庭教師をしていて困ります。

なお、英語の動詞は時制で活用しますが、
日本語の動詞もかつては時間軸に沿った活用があった、
と書いてありました。そういえば、古文の文法で
「未然形(≒未来形)」「已然形(≒完了形)」というのを
やった覚えがあります。

ときどき、平安人が外国人のように感じられることがあります。

貴様の凋落

朝日新聞に書いてあったことなので、
読んだ方も多いと思いますが……
「キサマ」という言葉のルーツです。

罵り言葉の「キサマ」は、漢字では「貴様」と書きます。
字面を見ると、敬語風なんですよね。
昔は敬語だったんだろうな、と思っていたのですが、
思うだけで、調べませんでした。

それが、3月26日の朝刊に載っている。
それによれば、元々は武家が書簡に用いた敬語だそうです。
それが、庶民の口語になると、敬意が失われた。
いつごろ庶民の口語として浸透したのかは書かれていません。
ただ、対等に使われるようになったのは、
江戸後期の文化・文政年間(1804-1830)のことで、
それに続く天保年間(1830-1844)には
罵り言葉とて使用されるようになったとのこと。
40年間で、敬語から罵倒へと凋落しました。

江戸幕府が成立したのが1604年ですから、
文化・文政期の始まる1804年まで、ちょうど200年あります。
200年間もあるとなると、庶民が「貴様」を使うようになったのは
この間のどこか、江戸時代のいつか、ということなのでしょう。
あるいは、1804年からさほど遡らないかも知れません。

なお、同じ記事には「御前」が「お前」「おめえ」と変化し、
あるいは「あなた」が「あんた」に変化し、
共に敬意を喪失していく様子が書かれていました。
貴族語は概して、民衆に広まると凋落する運命なのでしょうか。
我々も、ちょっと古い敬語表現を冗談や皮肉で使いますよね。
(なお、「あなた」については「貴方→あなた→あんた」という
変遷が語られていましたが、「貴方」というのは宛字であって、
「あなた/あんた」の起源は、やまとことばの
「あなた(あちらのほう・あちらさま)」と考えるべきでしょう)

しかし、「貴様」には特に凋落する理由が
あったようにも思われます。
響きが悪いですよね。「キサマ」って。
「貴様」と文字で読む分には良いですが、
耳で「キサマ」と聞くと、「k」や「s」が耳について、
刺々しい響きの言葉です。
文章語として書簡に使われているうちは良かったのでしょうが、
口語になり、耳で聞かれるようになると、棘々しさが目立ち、
刺々しい気分を乗せやすい言葉になってしまったのでしょう。
ということを、英文学で韻など勉強したりすると、思います。

←へぇぼたん。

三つ目の末裔

昨日は爬虫類のイチモツの話でした。
ヘビは二丁拳銃と判明。
下世話な話で失敬……

ところで、ムカシトカゲについては以下のような記述もあります。

 頭頂部には、退化的ながらレンズと網膜を備えた
 頭頂眼(第三眼)がある。

御存知でしたか。テレビで見たことがありますが、
頭頂部に光の明るさを感じる器官があります。
昆虫の単眼みたいです。

これは哺乳類でも頭蓋骨内に没入しているものの存在しまして、
頭蓋骨が薄く(あるいは穴があり)光を透過する動物では、
やはり光の明るさを感知するようです。
人間では、頭蓋骨が厚くて光を通しませんが、光とは無関係に、
昼と夜の体のリズムを作り出す働きをしています。
松果体といいます。
脳は右脳と左脳に分かれて、基本的に二丁拳銃ですが、
松果体は第三眼の名残ですから、一つしかありません。
「一つしかない」という理由から、哲学者のデカルトは
「松果体こそは自我の宿る場である」と考えたそうです。

まあ、松果体には、そんな高次機能はないのですが、
なかなか面白い発想ではあると言えるでしょうか。

就寝時間が一定しないと、松果体のリズムが崩れ、
体調や神経系に異常をきたし、睡眠障害等につながります。
というわけで、今日は短い記事ですが、以上!
さっさと寝ます。

←おやすみ~

ヘビのイチモツ=0.5+0.5?

下世話な話でごめんなさい。
しかし、雑学に下世話も上世話もありません。
学に貴賤なし、であります。いくぞ。

先日ワニについて調べた際、
「肛門裂は体軸に平行で陰茎は単一」
という記述に引っかかりました。
陰茎がタンイツって、複数ある生物もいるのか……?
そこへすかさず、フーシェ様のコメントが入ったのであります。
「確かヘビが2つペニスを持っていたと思います」

陰茎が複数あるとは何事ぞ。
それではイチモツと呼べんではないか。
さっそく調べねばならん。

 「ヘビ」
 肛門裂は体軸に直角に開き、ここから後ろが尾である。
 雄には一対の半陰茎hemipenisがあって交尾を行い、
 1回の交尾で数回の受精が可能である。

なんと……!
要するに二丁拳銃であります。一丁弾切れでももう一丁ある。
しかも、この書き方は、一丁撃ってからもう一丁撃つまでに、
最初の一丁も弾込めし直すようです。マッタクよくやるよ。
しかし、そんな何発も撃たなくったって、
一発ヤマトガンをぶっ放せば充分なような……
そうでなければ、現生生物はすべて二丁拳銃になっていても
おかしくないワケでありまして。
まぁ、やっぱり自然の気まぐれかな。
あるいは、一丁撃った直後に別の雌と遭遇した時用に
もう一丁隠し持っているとか……
でも、一匹の雌との後尾で何発も撃てるくらいの装填速度なら、
浮気くらい一丁でやってのけるか。

なお「爬虫類」の項目によれば、
爬虫類(正しくは脊椎動物門・爬虫綱)の現生種は
カメ、ムカシトカゲ、トカゲ、ヘビ、ワニの五亜目に分かれます。
正確には、三亜綱・四目・五亜目。
総計約6000種で、南極を除く世界の各地に分布。

カメは「無弓亜綱カメ目」もっとも原始的な一群とのこと。
ムカシトカゲが「有鱗亜綱喙頭(かいとう)目ムカシトカゲ科」
トカゲとヘビが「有鱗亜綱綱有鱗目」
そしてワニは「鰐形(がくけい)亜綱ワニ目」爬虫類中最強。

問題のモノについては、カメ・ワニ・ヘビの項目には書いてあり、
ワニとカメは一丁&肛門平行。
トカゲとムカシトカゲについては、書いてありませんでした。
気になるところです。
以上、記述はすべて松井孝爾先生。はちゅうるいはかせ。

←へぇぼたん。

ワニ「も」神聖な動物です

ワニについて、以下のような記述もありましたよ。

 「ワニ-人間との関係」
 熱帯地方では、ワニは人々に非常に恐れられているが、
 一方で神聖視もされている。インドネシアのトラジャや
 ニューギニアの諸集団の間では、ワニは祖先の化身であると
 信じられ、多くの彫刻のなかにその姿を現している。
 またインドでは、ワニの神マガールを祀るが、
 実際にワニを飼って崇拝する地方もある。
 古代エジプトにおいてもワニは神聖な動物で、
 ワニの頭をした神セベクを崇拝するために、
 聖所では特別に飼っているワニに祭司が食物や酒を供えた。

 アフリカの多くの地方で、ワニは水の神、あるいは精霊の
 化身と信じられており、トーテムとする氏族も各地にみられ、
 自らをワニの子孫と信じる人々はみだりにワニを殺さず、
 また川を渡ってもワニからは危害を加えられないと信じている。
 ワニの内臓や歯はアフリカの各地で強力な呪薬の成分として
 用いられており、スーダンのアザンデの社会では、
 人々はワニの牙(きば)を姦通防止の呪物として用いている。
 (濱本 満)

しかし、こう考えていくと、
世界のどこかに神聖視されない動物っているのか……?
という疑問も湧いてきますが。
まあ、神聖視されやすい/されにくいの別はあるか。

ということで、短めの記事でした。

百虫の王、ワニ!

以前中学の理科の先生から聞いたんですが、
ワニって、口を閉じる力は強いですが、
口を開く力は弱いそうです。
ですから、鼻面をぐいっと押さえてやると、
口を開けられないそうです。
本当だろうか? と思って調べましたら……
なんだか気になる話が沢山出てきました。

 「ワニ」
 爬虫綱ワニ目に属する動物の総称。
 この目Crocodiliaの仲間は、
 中生代に繁栄した祖先型と基本的に
 形態がほとんど変化しないまま生存を続けてきた大形の爬虫類で
 化石種は現生ワニ類の研究に重要な役割を果たしている。

古いそうです。

 ワニは現生爬虫類ではもっとも大形の一群で

大きいそうです。最大クラスでは7m。
恐竜が生きた時代には、ご多分に漏れずワニも大きく、
14mに達するものもいたそうです。でかいなー。
まぁ、長さ1メートルのゴキブリよりは、インパクト薄いですが。
なお寿命は(現生種で)30~50年だそうです。長いですね。

 イリエワニは外洋にも泳ぎ出て
 太平洋の諸島にも分布を広げている。
 ……イリエワニは人間や家畜を襲う危険種である。

川だけじゃない。海を泳ぐワニもいる。しかも獰猛。

 水中では四肢を体側につけ尾を左右に振って泳ぐが、
 四肢を用いることもある。
 陸では胴を持ち上げて歩くが、
 驚くと胴をくねらせ滑るように走り、水に飛び込む。

蛇みたいな動きもたまにする、ということですね。

 殖期には前述のように臭腺からフェロモンを分泌するほか、
 雄は大きなほえ声をたてる。

ワニは鳴きます。

しかし、肝心の顎の力の話は百科事典には載っていませんで、
グーグル検索も、何件かそういう記述がありましたが、
信頼できる記述には行き当たりませんでした。

どうも、事情はこういう事のようです。
ワニは最強の爬虫類であり、ある説によれば、
噛む力はライオンや虎を遙かにしのぐ。(これも怪しい情報)
となると、「ライオン対ワニ 猛獣対決!」みたいな
一般の興味を惹きはじめるわけです。
すると、「ワニにも実は弱点がね」という話などは、
大向こうに受けて、人面犬じゃないけれど、人口に膾炙する。
それで、もはやどこの誰が言ったのか解らない
「ワニは顎を押さえれば怖くない」というストーリーが、
一人歩きすることになるのでしょう。

なお、ワニの悪魔的強さに関する伝説は、その噛む力に加えて、
噛んだあとの「振り回し」によっても補強されているようです。
これについては百科事典にも書いてありました。

 大きな獲物は「ワニのツイスト」とよばれる回転運動により
 かみ切るが、かみ切りやすくするために複数が逆回転して
 協力することもある。

必殺技に名前がついています。ヤバイです。

それで、それはそれで良いんですけど、
ちょっと、何というか、気になる記述があったんですよね。

 「ワニ-生理」
 ……肛門裂は体軸に平行で陰茎は単一。

陰茎はタンイツ……
単一って、単一じゃない生き物もいるのか?
それじゃイチモツと呼べませんな(笑)

以上、松井孝爾先生でした。

←へぇぼたん。