植民地と領土 | 雑学大典

植民地と領土

近代日本の歴史の話をしていて、はたと詰まりました。「植民地」っていう言葉がありますが、それは、一体なんなのでしょうか。国土なのか? それとも外国なのか? 領土と言っていいのか?

wikipediaで「植民地」を調べたところ、明快な定義がありました。

 近現代においては、本国政府の憲法や諸法令が原則として施行
 されず、本国と異なる法的地位にあり、本国に従属する領土を
 植民地という。

あ、法的な仕組みが違うわけか。なるほど。「外地には衆議院の選挙区が設置されなかった」という一文が、事情をよく物語っております。統治地域だけど、政治への代表権、参政権は無いわけですな。参政権がないって、その時点で人権上、どうなんだという話にもなりかねない。

同記事では、近代日本が支配力を行使した地域について、台湾は「割譲」朝鮮半島は「併合」中国の関東州は「租借」とか、地域によって違う言葉が使われる事がありますが、「日本の法令で植民地という用語を使用したものはないが、公文書ではこれらの地域について植民地(殖民地)の語を使用しているものは存在する」とあり、細かい扱いの差異はあっても、その地域を一括して「植民地」と呼ぶ事にはそれなりの妥当性があるという感じの事が書かれています。

ちなみに、後の「満州」などは事実上植民地同然とも言われるようですが、一応は独立国扱いだったので、上記の台湾や朝鮮半島とまったく同じとは言えないようです。